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2011年12月22日木曜日

無縁社会と云うけれど  (社)倫理研究所 普及開発部長 徳江 秀雄 氏



今日は同じ会場で先立つこと一時間前(午前五時)に家庭倫理の会の「特別おはよう倫理塾」が開かれるという案内が大森会長発信で前夜に来たので、3時起き4時出発で出かけた。外は未だ深夜の様子であるが、家庭倫理の会は毎週朝5時が開場ということだから、その熱心さは普通ではない。
 いつもの会場と変わって収容人数150名ほどの会場に変更されたのは100人セミナーと云うことで、100名以上の聴講者が来る想定されてのことだろうが、会場についてみるともうすでに100名以上の聴講者が着席されていた。
 講師は地方の人に東京で有名な先生と紹介されている倫理研究所の徳江秀雄部長。正に語りのプロ中のプロと云う方で、アドリブを入れながら、キッチリと聴講者のこころを掴まれていた。
 お話は「無縁社会」というけれど我々の人間の世界には「無縁」などはあり得ない。何百年経とうが何世紀隔たろうが、祖先のDNAが私たちの体の中に生きていること、そして私たちは生きるために多くの生き物の命を頂いて生きているということを忘れて、自分を自分の命を粗末に扱ってはいけない。人との縁は自分から断つことは絶対にあってはならないことであり、むしろ一歩前に出て積極的に捉えていくという生き方が正しい。更に、そんな人間を誰が作ったのかいまだに私たちにはわからない現実がある。この世の中、宇宙にはSomething Greatが存在するのではないか、というものでした。
 縁とか絆と云う言葉が、この3月11日以降、改めてクローズアップされ、それを契機に日本人としての在り方、人の倫(みち)が問われている。その意味で、今やRich Poorから日本人の源流であるPoor Richへの転換の波をみんなで受け止めていかなければならないなと思いながら聴かせていただきました。
 有難うございました。貴重な1時間でした。

渋沢栄一の逆境処世術    伊勢田 豊 (社)倫理研究所 参与



 恒例の大森会長の会長挨拶に引き続き、会員スピーチと云うことで幹事早瀬 徹 氏((有)ライフネット湘南)より会員スピーチが行われました。早瀬さんは「事実は一つ、解釈は無数」と云う話を自身が不動産の取引の中で体験した実例を出し、お話されました。事実に裏付けされた迫力あるお話で、全員の胸を打ちました。
 
 それを急遽受ける形で本日の講師である社団法人倫理研究所の参与伊勢田 豊 氏が「存在の原理」という話をされました。存在とはそこに形を以て在るということで、空間の一部を占有しているものであり、働きがあり、役割があるもので、それは価値と云うことでもある。この価値と云うものは大きければ大きいほど価値が高く、社会への貢献度も高いということであり、企業経営者であれば自社の価値を高め、地域に貢献することが使命であると結ばれました。

 本題の「逆境の処世術」の講話時間はこのため、相当圧迫を受けて、資料の紹介だけに終わったという印象でしたが、それから受けた印象は企業経営者なら改めて澁澤栄一なる明治の巨人の足跡の幾つかと対面すべきであるという思いでした。右手にそろばん、左手に論語を持った最初の経営者であるとか経済と倫理を合一させた人であるとかいう紹介の言葉が矢継ぎ早に出て来てきました。

 駆け足でこの逆境の中で注目される業績を上げる企業が紹介されましたが、企業人にとって心すべき座右の銘は「人生は意のままになる」という澁澤栄一の「青淵百話」のエッセンスであると感じました。

 素材が大きいだけにもっとじっくりと時間を取っていただいてお話しいただいたほうが良かったという印象でした。商工会議所の生みの親でもある澁澤栄一氏の遺徳を聴きに茅ヶ崎市商工会議所から若い社員の方々が聴きに来られていました。 
 
 今年最後のモーニングセミナーを締めくくる勉強の素材として日本資本主義の父と云われ、あのドラッガーも絶賛したという澁澤榮一氏の気概の一端に触れられたことにお礼を申しあげます。

2011年12月15日木曜日

企業倫理とリスクマネージメント   鎌倉市倫理法人会副会長 白木 大五郎 氏

  今日の講師は鎌倉市倫理法人会の副会長の白木大五郎氏である。一方で企業リスク研究所の代表と言う肩書きも持っておられる方です。ご自身の日立製作所及びその関連企業でお仕事をされ、特に総務・人事・労務関連の部署で永い経歴をお持ちになっており、退職後その実務経験を活かし企業リスク研究所を興され、新聞雑誌、テレビ、著作活動に講演、研修の講師と、全国を飛び回っておられる方である。
  近年、情報開示が企業の義務といわれる時代になり、企業倫理の大切さが大きくクローズアップされています。その根は上から目線でなく水平の目線で社会との共存共栄を図らなければ社会から取り残され、企業存続の道を閉ざされることもありうると言う認識です。
  一方で何事にもリスクは付き物。リスクが現実にならないように事前の十二分な対応は当然として、それが起きたときの対処がきちっと出来るかどうかが企業の本当の力であり、経営者(責任者)の人間力であるというお話をいただいた。

  しかしながら、ここのところ相変わらず新聞紙上を賑わしていることは、世の中が見えていない企業が大小問わず沢山存在するということです。これらの不祥事の多くは内部告発によって、その端を発しています。要するに企業倫理に反することは身内でも隠し通せない時代になったということ。企業はある特定の人のものであった時代は終わり、そこに働く人、家族そして取引先等、社会全体のものであるという認識の上に立った経営が強く求められる時代になったということで、それを経営者が自覚出来ているかどうか、即ち人間力をもった経営者がその企業を経営しているかどうかが問われる時代なのです。
 
  ポイントを短い時間の中で分かりやすくまとめていただき、時には得意の川柳も交えながらあっという間の45分間でした。いただいたレジメには起承転結、要領よくまとめていただいており、貴重な企業経営、リスクマネージメントのガイダンスとして活用させていただきます。有難うございました。


  この人間力の発揮は正に倫理の実践であり要諦である。




2011年12月7日水曜日

家庭に愛を   神奈川県倫理法人会会長 二階 正 氏

 
 講演の前段で新規入会社のご紹介と会員バッジ、倫理法人会憲章が手渡されました。56社目の会員
が新たに誕生し、目標の70社まで、ゴールに向けて歩みを速めています。

 さて、今日の講師は県の会長を務められる二階 正(まさし)さん。自分の倫理実践の経験の中から
夫婦対鏡というテーマを選びご講話いただきました。

 倫理法人会へ入会すると三つの特典がありますと切り出された。先ず、
 1.職場の教養が30冊(毎月)
   これを使って職場の朝礼を行おうと試みたが社員の抵抗にあって5年間やれなかったが、結論は
   社長たるものがやる気になれば出来る。できなかったのは意志が弱かった。
 2.モーニングセミナーに出席できる
   人間は純に生まれてくるが育つにしたがって垢が付いて「純情(すなお)」が隠れてしまう。その
   垢をそぎ落とすことが出来るのがMSである。会員が切磋琢磨できる環境がある。
 3.倫理指導
   苦境、不振の原因を探すのを一緒にやってくれる。そして一番大切なものを思い出させてくれる。
   その大切なものは「家庭、夫婦仲」である。
   5,6年ほど前までは一番の相談事は「後継者問題」、今は「資金繰り、資金調達」であるが、
   その隠れた要因は家庭問題である。問題を抱える経営者に共通の問題が家庭問題である。

 日常生活において家庭の問題と云うものが仕事の面にまでマイナスの重圧となって掛かってくるということを気づかないでいるが、実はこのことは大変大きなウエイトを占める問題であるということを悟った沢山の倫理の盟友が語っている現実を見れば、先ずそのことの重要さをお分かり頂けるのではないでしょうかと結ばれた。
 
 自社の社員がご主人の定年退職後の青写真に不安を抱き、其の時には離婚も辞さずとの思いで入社された女子社員さんが、職場の教養を使った朝礼を繰り返すうちに、何が本当のわがままかに気付き、ご主人の田舎に帰って農業をという夢について行くという決断に至ったという挿話は、倫理の実践まさにここにありと感銘を受けました。 ありがとうございました。