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2012年3月28日水曜日

捨てられる会社、助けられる会社  井上 真伯 氏

庭の日当たりのいい場所にあるこぶしの木に花が来て、遠かった春がようやくやってきました。今日は今年一番の暖かい日になるだろうという天気予報であるが、三陸海岸ではまたまた地震が続けざまに起こり、神奈川県では津波の誤報騒ぎと、あわただしいことだ。

さて、今日は神奈川県倫理法人会事務長を務めておられる井上真伯氏を講師にお招きしたモーニングセミナーが行われました。氏は本職は中小企業診断士の資格を持つ経営コンサルタント事務所コンセイユ・モビリエ代表でもあり、今日のお話はご本職の中小企業の経営コンサルティングの体験談であった。

題の「捨てられる会社、助けられる会社」は誰からという問題であるが、それは金融関係(銀行)であり世間(お客様)と云う意味である。では捨てられない会社、助けられる会社とは何ぞやと云うことなのだが、それは経営者が腹をくくって経営に携わり、真っ当なことを真っ当にやっている会社であると。

バブルの崩壊後既に十数年経過しても低成長、不透明、デフレ、不景気と云う言葉が一向に払しょくされないが、それでも着実に業績を上げ黒字を続け成長する企業もあれば、出口の見えない不振の長いトンネルに入り込んで苦しんでいる企業もある。まだら模様と云える企業経営であるが、時代がどう動き、需要がどう変わるかを掴み、それに順応していく経営力や自社の強みを最大限に生かす選択と集中の原則を貫いた企業だけが、生き残れる時代に来た。

そして経営はPDCA(PLAN-DO-CHECK-ACT)サイクルが原則であるが、P・Dで終わりC・Aに恐怖を感じ始めると会社の中に不正が行われるようになり、やがてはもう支えきれない企業実態が迫りくる状態となっていくそうだ。

何も特別なことをやる必要はない、経営者としてやるべきこと、それは時代を見、自社を見て決断し、ゴールを示すこと。社員はそれを如何に実現するかを考え実行すること。お互いがその役割を全うしようという気概のある会社が多少のかじ取りを間違った場合でも助けられる会社である。目的は数字だけではない。努力を評価する部分が残っている会社、即ちC・Aのある会社でありたい。それが我々中小企業のいいところというお話しでした。


左から石田副会長、大森会長、秦野準倫理法人会監査の市川徳宏氏、市川さんは4月10日に行われる100人モーニングセミナー(テーマ 夢は叶う)の宣伝にやって来られました。一番右は相談役の岩澤裕氏。

2012年3月22日木曜日

倫理は宝の山 -17の道しるべ-

今朝のモーニングセミナー恒例の大森会長の時節を取り上げたショートスピーチの後、48番めの会員としてメンバーになられた福祉法人賛助の会の古知屋光洋さんによる「会員スピーチ」が行われました。一般的に区別がつかない老人ホームの違い簡単に説明していた。それによると;

 ・有料老人ホーム(企業等の経営、一時金等 高額費用)
 ・特別養護老人ホーム(行政等支援、介護保険で対処)
               月6,7万の費用
 ・養護老人ホーム(経済的な弱者対象、行政等)

に分けられるそうであるが、未だにその差が定かではない。筆者自身が未だその必要がないと思っているからであろう。

 古知屋さんのやっておられるのは「特養」と云われる種類の施設で、社会福祉法人が運営するタイプ。県知事の認可の下、その目的は利潤ではなく福祉事業を行うという業態とのこと。短時間なので、そこに至った理由等はお聞きすることは出来なかったが、厚労省出の代議士の秘書経歴からその一端は伺うことができた。

 さて、本題は竜ヶ崎でペンキ屋さんを経営しながら法人スーパーイザーを務めておられる平野健二氏である。ご自身の倫理経営を実体験に基づいてお話しいただいた。倫理歴は18年ということである。

 日本は戦後の復興と隆盛によって世界に誇れる経済大国になったが、この十数年は大変な苦境に見舞われている。事例は我々国民が皆承知しているごとしであるが、今必要なのは倫理法人会だけが提唱している「日本創造」という活動である。倫理の有難いのは「万人幸福の栞」の中に、人の、企業経営の道しるべが記されていることである。日本国の再創生の為にはみんながここに書かれている17箇条を純真(すなお)にやってみること。今の居場所から一歩進んで前に足を踏み出すこと。そうすればその行動によって自分の世界にもう一つ違う世界が加わり、そこから幾多の情報が入ってくる。行動はいわばアンテナのようなものである。視野が広がれば今まで見えなかったことが見えてくる、幸せが見えてくる、そして自分の器も大きくなる。
 
 我々には経営者・役職・夫・父・子であるという一人が持っている全ての局面が同時進行で流れ、それに一つ、一つ丁寧に対処していかなければならないが、一般的に云って不得手なことである。
自分の中にはそれぞれの使命を上手にこなす人材が幾人もおり、それを発掘するのも自分の使命である。ストレスはそれをほって置くからストレスになる。整理し、切り換え、それを梃にして生きるようにしましょう。ストレスはストレスの居場所があるのだからそこへ追いやりましょうと。

  1.日本創生(をやりましょう)

     ・先ず愚直にやってみましょう、そうすればやがて応援者や賛同者が出てくる

  2.企業に倫理を(取り入れて下さい)

     ・職場の教養を元に朝礼を行い、自分発見、企業発見を行い、自分の「売り」会社の「売       り」を見つけましょう

  3.職場に心を(傾けていますか?)

     ・社員の良いところを発見し、それを褒めてやる。「ありがとう」「お蔭様で」と云う気持ちで
      社員に接するようにしましょう。そして自分と同じメンタルを持って行動する社員を1人
      造れば、その企業は間違いなく発展する

  4.家庭に愛を(育んでいますか?)

     ・家庭の愛和は企業繁栄の絶対条件である

 30分そこそこの時間の中で、実に歯切れよく、時にはウイットに富む話術で会場に笑いを誘いながら講和をして頂きました。少し、時間が短くなってしまったのが残念でした。有難うございました。

2012年3月15日木曜日

クレド(信条)を使った組織改革  中筋宣貴 氏

今朝は会長の挨拶に続き、新規入会社の認証式が行われました。足立久則さんと片山一弘さんのお二人で、お二人は友人関係にあるとお聞きした。業務の関係で、足立さんはしばらくこの会においでにならなかったが、今回正式に入会されたということです。ご存知のかたが沢山おられるが、非常にまじめな会員として目に焼付いたものが在る方です。今後のご活躍をお祈りすると同時に、会の若返りのためにもこういうう方々に早く幹事をやっていただいて、会の若返りを図るべきだと私見ではありますが、心強く思いました。

 講師の中筋氏には以前お越し頂いたことが在るので、記憶にある方もおられるだろう。筆者も以前お話をお聞きし、定期的にメルマガを送っていただいています。

 さて、短い時間で二時間のプログラムを話すことは至難の業であり、今日は最初のイントロの部分を伺ったにすぎないようで、後日、追講義が行われるとのことです。

 論旨はモノが飽和状態である時代で、必要なのはコンペティションではなくハーモニー、協調、協奏である。物の品質や性能が一定レベルを超えている状態にあって、売れるか売れないかは
それを売る人の人間力に掛かっている。あの人からは買いたくないが貴方から買いたいがという時代であり、広告宣伝やプロモーション、価格が絶対条件ではない時代である。従って、コンシューマーサティスファクションの前にエンプロイーサティスファクションが来なくてはならない。企業は株主のためにあるという風潮が市場原理主義が持てはやされた時代には蔓延したが、実は従業員に愛されないような会社は先には続かないし、いい会社になる筈はないということで、21世紀はエンプロイーサティスファクションの時代であると結論付けられた話であると想像する(最後まで聞いたわけではないので想像と云うことにした)。

 企業理念は経営者が決めるべきサブジェクトであるが、それを実現するプロセスは従業員が造るべきであるということだ。会場で簡単なワークショップをやってみたが、それが次の作業である:

 Q1.仕事をする上で大切にしていることは何ですか?(主観的切り口)
 A1. →3個

 Q2.あなたが仕事を通じて社会に提供しているものは何と思われていますか?(客観的切り口)
 A2. →5個

この3項目、5項目から何を考えて仕事をしているのか明確になるそうだ。ちなみに自分の造ったものを紹介すると:

 「お客様に心のこもったサービスを提供し、お客様に気付きと向上心をもたらすこと」。ちなみにこれは筆者がやっている映像と画像を使ったゴルフクリニックの話である。

要するに、社員の中に参加し貢献どころか居ても居なくてもいい的な存在をなくし、役に立っている、必要とされている、あてにされているそして感謝され、喜んでいただいているという意識を持ってもらうことにより、企業の人材面での底上げにつながり、企業力がアップするというプロセスに帰着する。人間が本来持っている前向きのこころや向上心、人のために役立ちたいという思いを拾い上げて一つ大河にしていく仕組みと思いました。これはいみじくもタイトルに出ているように社員の一人一人の顔と名前が判る規模の企業には極めて効果的だろう。自分の体験からもそう評価したい。

 



2012年3月7日水曜日

生チョコを世界へ  講師 小林 正和 氏


今日の講師は当会の会員で入会間もいないパティシエ小林正和さん。茅ヶ崎は中海岸で「湘南ル・ショコラBUNZOO」という生チョコとお菓子の店のオーナーパティシエである。

1949年長野県飯山市と云う新潟県と県境を接する最北の地域で、豪雪地帯と云われるところの生まれである。小学生時代からお菓子作りに興味を持ち、工業高校を卒業すると浅草の菓子問屋へ就職。製菓学校を卒業後、茅ヶ崎のケーキ屋さんに3年間、そこでお客のニーズを掴むことの重要さを体験、その後の自分のビジネススタイルの元となる。
茅ヶ崎のサフランと云う店に5年間奉公し、昭和57年に
独立。隣の家は河野洋平氏の家だったそうで、河野代議士一家には公私にわたって大変世話になったとか。

生チョコレートの開発の経緯や商品コンセプトが書かれた資料を一杯頂いたが、氏が云われる通り、チョコレートは化学なので、化学方程式が十分理解出来ていない者がそこの部分を書くと間違いだらけになりご迷惑をかけるので、その部分は割愛させていただくことにします。

元々ヨーロッパから入ってきたチョコレートだが、日本人の味覚に合うチョコレートとは何かを探求し、人生をその開発に投じてきた情熱、そして完成したチョコレートを今度は日本発で世界に向かって紹介していこうという男の大ロマンがこの生チョコレート作りの底流にはあることをお聴きし、一つのことに人生を掛けられることの凄さと幸せをうらやましく感じた次第です。

昔の職人はガラスの向こう側でただ黙々と手を動かしていたが、窓越しに会話をする時代を経て、今や職人はお客と直接言葉を交わし、五感で何を求めているのか、何をしてほしいのかを感じ、それを形にして提示しなくてはならない時代になったと云われたが、全くその通りだと思います。