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2011年10月7日金曜日

私はこうして勝ち組になる

今日の講師は株式会社大久保恒産の代表取締役の大久保和夫氏である。倫理法人会でも相模原市倫理法人会の会長はじめ、県法人会の要職を務められ、現在は青葉区倫理法人会の相談役をされている。
 事業は足場工事が主体で、200名ほどの従業員がおられて前述の事業のほか、鉄パイプ関連のビジネス、人材派遣業、そして喫茶店を経営されている。
 ご出身は新潟県の長岡市小国町ということで、今でいう寒村と云うことだった。それよりも父親が戦争で出征し、姉一人の兄弟で、父親の顔も知らず、母親の手一つで育てられ、貧困の極みの中で、幼少、少年期を過ごされたということだった。17年生まれだから筆者の三年ほど先輩なのだが、話された情景は自分の記憶には浮かんで来ない(戦災に焼け出され、田舎に疎開した)が、多分苦しいながらまだ自分は恵まれていた方だろうと想像する。
 17,18才ごろ、反抗期に経験した母親への反発と母親の悲しみ(お前が唯一の心の支えなのに、おまえにそんなことをされるなら死んだ方がいいと柱に寄りかかって泣き崩れる母親)を目の当たりにして、自分が何をしているのか気づく下りは我が事のような思いがして、在りし日の自分の姿が浮かび瞼が熱くなった。この年齢でそのことに気が付かれたのが「凄い」の一言だろう。最近、長野県上田市にある「無言館」という戦没画学生慰霊美術館に収められている大江正美さんという人が描いた「白い家」という絵を見る機会があったが、あの家(母親の実家らしい)、あのシーンが思わず目に浮かんできた。
 
 さて、本題なのだが、大久保さんは戦国武将の中でも豊臣秀吉の潮目を観る目を一番、参考にされてそれを経営に生かされたということだが、それは人の使い方の極意をそこに見たということのようだ。人は自分の価値を認められないと本気になって働かない。その価値を何で認めるかだが、大久保恒産は仕事が単純作業なので賃金(成果報酬)と云う最もシンプルな形で報いたから他社より抜きんでることが出来た。「人は何の為に働くか」という問題の掘り下げこそ、経営のかじ取りの元であったと語られた。
 最後に会社の成長には「経営計画」が必要で、それは主観的でいいからしっかりしたものを作れと語られたが、仕事の進め方から云えば当たり前のことであるが、これが出来ていない企業が多いのも事実だろう。失敗があり、反省があり、それを活かすという行為が課題を打破していく、そして出来るまでやるというのが目標であるという企業風土づくり、そして成果主義の報酬制度が売り上げ押し上げているようだ。そして、更に、自社にとって飛躍のためには急務は組織、すなわち人づくりだと語られて講話を終わられた。
 久しぶりに心を揺さぶられるような親子の情と経営の肝を聴かせていただきました。ありがとうございました。

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