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2012年12月5日水曜日

スポーツの力(サッカーを通じ地域社会への貢献を拡大して行きたい) 中村 勝則 氏



 今日のMSの講師は中村勝則氏である。現横浜F・マリノスの取締役でホームタウン・普及部長と云う肩書が付いている。サッカーは強くなれば、お客が入ると思っていたら大違い。上から目線の天動説でかっこいいことをやってもその腹の中はとっくに見透かされてしまって、何の効果もない。サッカーの普及と大見え切っても所詮、「マリノスの販促」と云われてしまう。そこで気が付いてサッカーの普及と云うものを違う目で観ることにした。成熟した世の中、世間を相手にした時、必要なのはサッカーを単なるスポーツでなく文化として捉えることだ。文化ならば誰もが楽しめるモノでないといけないのではないかと頭を切り替えたと述べられた。マリノスの地域貢献活動は、この切り替えがスタートとなった。

 沢山の学校を回って目にしたこと耳にしたことで教育の世界で一番抜けているのが家庭教育、学校教育、地域教育の中で三番目の地域教育である。戦後教育の問題点は云うまでもなく行き過ぎた個人主義、利己主義への賛歌である。お互いが支え合い生きていくのではなく、自分さえよければいいという考え方は人間の本性と矛盾する動きであり、社会に調和も健全な発展ももたらさない。給食で魚の食べられない子供がいたとしても、それを注意して食べさせることも出来ない。学校の給食は子供の身体の健全な発育を考えてバランスよく整えられているのにもかかわらず、この事に学校では誰も手出しできないという矛盾を抱えながら時間が過ぎていく。こんなことでいいのかということで、食育の指導に乗り出したり、サッカーでは軽度の身体不自由児や知恵おくれの子どもたちに出来るサッカーを考案して指導したりしているとのこと。



 ご自身のキャリアは自分で努力を積み上げて得たものでもないのに、いつの間にか偉くなってしまった自分に気が付き、もう一度原点に立ち返って、チャンスを与えていただいた世間に感謝をし、今の自分でできることで、地域社会の役に立てるようようと決心をした。

 王選手にあこがれて早稲田実業へ入学し、野球もやったことが無いのに野球部を目指したが、門前払いを食い、偶然サッカーと出会うが、プレイヤーとしての才能には恵まれず、早大への進学もサッカー選手の枠で滑り込み、マネージャーを務めることで部に残り、能力を買った日産の加茂監督に認められて日産へ入社。日本リーグからJリーグの立ち上げとクラブの運営に携わる幸運に恵まれて今日まで来たと謙遜されたが、今やアジアの国々から目標にされるまでに成長した日本のサッカー界を作り上げてきたという自負はいたるところに感じられました。



 クラブと云う人を扱う職場なので盛りだくさんの裏話もあると思いましたが、そのことには一切触れず、横浜F・マリノスの企業メセナ活動の視点をお話いただきました。サッカー好きの筆者としては身を乗り出して聞かせていただきました。ありがとうございました。

 最後に突然若くして亡くなった元日本代表松田直樹選手の在りし日の雄姿と非業の最期をフューチャーしたAEDの普及促進DVDを見せていただきました。もしあの時・・・・。

 

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