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2014年2月12日水曜日

わが社の発想転換   平塚市倫理法人会副会長 井出 隆夫氏


 今朝の当会の講師はお隣の平塚市倫理法人会の副会長井出隆夫さんである。茅ヶ崎は元々湘南倫理法人会が母体になり、そこから平塚と藤沢が派生して行ったという歴史を体験された入会歴25年のベテラン会員である。従って、今日のMSにもその時代の会員の面々がおられて、話す方としては、リラックスして話すことが出来ましたと云われておりましたが、それだけにもっと沢山の若い経営者やNO.2の皆さんに聴いていただきたかったと残念に思いました。

 冒頭で、業界の話し、世の中のマクロ潮流をお話になり、それが自分の夢である300年続く企業を実現するための目の置きどころであるとお話になりました。人口構造が年々、ピラミッド型が逆ピラミッド型になり、2030年以降は80歳が最多を占める状況に変わり、売り上げのボリュームが業界として年々落ちて来るのが目に見えている。その中で、現在55店=10億の直営を維持するこだけでなく、それを拡充・拡大していき、しっかりした経営基盤のもとで、300年企業を作っていく為に、様々な変革を行ってきたが、これからも変革無きところに成長なしの心構えで臨んでいると語られました。

 幾つかの発想の転換の具体例を述べられたが、そこには社会事情というモノを的確につかんだ施策であるが故に、消費者(お客様)に支持されて、店が成功して行くという正に時代対応業と云う商売のエッセンスがそこにある。
 例えば、深夜2時まで営業する美容院を開いたところ、子育て世代のママさんに支持されて繁盛している例。スタッフも案ずるより何とかで、自分の店を閉めてから勤めに来る職人さんたちが
結構いて、十分に対応できることが判ったと云う例。
 価格的にもワンプライスでなく1時間を4つに分けて15分1000円に考えてサービスの4分割による価格制(これを井出氏は時間生産性と呼んでいる)を設けているそうだ。これがQBハウスを筆頭にして、巷で評価されている1000円理容室のコンセプトに通じると云われた。
 恒例化で車が運転できなくなるなじみ客に送迎・予約制制度を投入したところ、来店率が飛躍的に上がり、売り上げの増加につながった例、
 年齢の変化と共にお客の懐具合が変わるし、NEEDSが変わることへの対応は「お客さまからもっと喜ばれるにはどうしたら良いのだろうか」というサービス業の原点に立ち返ることだとも。
お店にとって、「揺りかごから墓場まで=生涯顧客」は究極のテーマであり、地域を背景に営みを展開する理容・美容店にも必要なスタンスであると。

 昔は輝いていたが、今は見る影もない方々を多く見かけるが、それは時代に合わせて「変革」が出来なかった人であり、そこには往年の輝きは見られない。


 技術よりも先ず会社の考え方を理解してもらう事が第一ですと、自社の社是「お客様に美と若々しさと、健康と、元気をお届けする」というモノの考え方をスタッフに浸透させるとのこと。
これはお客様との接点に居る社員の人間としてのクオリティーが持てる技術と一緒になったとき、それは「感動」というお客さまからの反応が得られるとの考えからであろう。

 先週も横浜市中央で秋山利輝氏の徒弟制度で人を育てる考え方の実践をお聴きしたが、井出氏のお話にもそのセンスが色濃く出ていますね。理容は日本の伝統的な職人芸のひとつであり、文化でもある。後世にその遺産を残すために学校を作られ、後進の育成に励んでおられる一方で、業界の在り方についても尽力されている。郵便ポストの倍の数の床屋があるそうだが、これはもう零細企業の極地のようなもので、息子や娘に継がせようというような床屋は皆無になりつつあるが、それでも理容師になりたい美容師になりたいという子供たちは多いそうである。言い方を変えれば、まだかっこいいから理容しか美容師ぐらいには成れるだろうということかもしれないが。しかし、専門学校へ入って資格を取るには2年間で300万円程の費用が掛かるそうである。それを支出できる家庭はそんなに多くはないとのこと。従って、井出さんの學校は傘下の店で働きながら学校へ通えるという制度で学生を受け入れておられるとの事。ここにも時代対応というかビジネスライクなのか、したたかのビジネスセンスが見え隠れしていて、理想論だけの人ではないという信頼性が感じられますね。

紹介を笑顔で聴く井出社長
  冒頭に申しましたが、余りにも自会の会員さんの出席が少なすぎます。こういう話は、前を向いて生きなければならない若い経営者やリーダーにこそ聞いていただきたい話であります。そういう残念さを感じた今朝のMSでもありました。

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