今日の講師は技術系の方であるが、若くして世俗と交わり、以外に器用な生き方をされている星野さん。本業はキャドシステムの販売とメンテナンス。しかし、この業態が今や大きな曲がり角に来ていて、かってのような収益性は殆ど崩壊状態だということだ。PC関連の進歩と低価格化そして無料ソフトの普及が大きな原因だそうだ。
そんな中、6月から建設会社の役員に入られるということだが、その会社はバブルで儲け、それがはじけて大損し、休眠に追いやられたが、オーナーは19年間地下室の工法開発に没頭して「いつかは」と夢と希望を持ち続けた斎藤さんと仰るそうだ。一言でいえば人に感動し、夢に共感し一緒にやることになったということだが、そこにはキャノン時代から培ってきた「特許」の肝を知リ尽くしているという計算も働いているようだ。開発された工法特許は専門的に何処からも浸食されないほど鉄壁なモノのようだ。
特許は取ることが目的ではない、それを守ることが目的だということだ。それほど一旦、公開されれば、それに抵触しない方法を考えることは専門家ならさほど難しいことではないそうだ。従って、特許はそういう余地を残さないレベルであることが大切だと仰る。自身の出身のキャノンとソニーはその世界戦略が整っているがゆえに、知的所有権で莫大な利益を上げていることはよく知られている。
地下室付きの住宅が建築基準法が緩和されても普及しなかった理由が提案側の都合であったところを打破することで、ブレークスルー出来る見通しが立ったとか。自身がこのビジネスに力を注ごうと決意したのは、本業の範囲内で、今までの営業資産が活用できること、特許ということに専門的に関わってきたこと、そして事業の社会性だということだ。